障害特性?わがまま?それは見分けなくていい!
2026/04/10
保護者の方から

子どもが何か言い出したり、聞き分けが悪くなったりしたときに、
障害特性でそうなっているのか、わがままでそうなっているのか、見分けられないんです。
というご相談をいただくことがあります。
正直に言うと、
現象だけを見て見分けることはほぼできません。
そして実は、
特性があろうとなかろうと、やることはあまり変わりません。
保護者の方の言わんとしていることも、わからなくはないです。
「もし障害特性なら、諦めよう。受け入れよう。でも、もしわがままなら、それは正さないといけない。」
きっとこんなふうに考えているのではないかなと思います。
でも、私は
そもそもこの前提が少し違うと思っています。
障害特性があろうがなかろうが、
- 人とはやりとりをしながら生きていく
- 自分がどうしたいかを考える
- 怒りは自分も相手も消耗させてしまう
- Win-Winな関係をつくるために、やりとりやルール、仕組みがある
ここは同じです。
私はいつも
「人権侵害の前には、人権侵害がある」
と思っています。
たとえば
「今から〇〇に出かけるよ」
と声をかけた瞬間、子どもが急に怒り出したとします。
そういう時、私はその瞬間より前に、すでに子どもへの「人権侵害」が起きていたと考えます。
例えば子どもの中では
「やりたいことがあって楽しみにしていたのに(誰にも言ってないけど)無視された!!」
「自分が急に言ったら絶対怒られるのに、大人はいつも急に言ってくる」
こんな気持ちがあるかもしれません。
つまり、お互いに
- 相手の事情を知らないまま動いてしまっている
- お互いに相手の都合(人権)を無視し合ってるから、ずっと怒りのぶつかり合いになってしまう
ということです。
そうなると、
怒り合う準備だけがどんどん整っていきます。
本来やりたいのは、例えばこんなやりとりです。
落ち着いて
「〇時になったら出かけようと思うんだけど、どう声かけたらいい?」とか
「あらかじめ時間伝えても怒ったことあったよね。あのとき、どうしたらよかった?」とか
「出かけるって言われたとき、頭の中で何が起きてるの?」などという
会話です。
また、出かけることとは直接関係なく
他のところで積もったものがあって、
いつでもケンカできる状態になっていることもあります。
そしてこれは
大人→子どもだけではなく
子ども→大人にも言えることです。
私は息子に「クッションことば」を教えたのは
保育園のころでした。
子どもって、だいたいいつも唐突です。
なので、社会で使えるルールを先に教えようと思いました。
「クッションことば」を教える
時間があるか、一言断る。
「お時間ちょっといいですか?」
「今いい?」
「これ見る時間ある?」
というような
「クッションことば」を教えて、練習しました。
詳しい話はこちら↓
これがあるのとないのでは
大人である私の気持ちが全然違いました。
例えば
「今ちょっといい?これ見てほしいんだけど」
と始まると
「今すぐは難しいんだけど
10分くらい待ってくれる?タイマーしようか?」
と、やりとりができます。
そして、もし少しでも手を止められるなら
必ず手を止めて話を聞くようにしました。
ただ、聞いているうちに
「これはちょっとじゃないぞ!」
と思ったら
「Kくん、申し訳ないんだけど
母さん〇時から仕事があるんよ」
と伝えて、予定を書き
「ここならまた話聞けるから
そのとき教えてくれる?」
と聞きます。
これを繰り返しました。
息子はわりと
「OK」と言ってくれるタイプだったので
やりやすかったのもありますが、
何をするにも
- 許可
- 確認
- 予定の通達
この3つを意識すると
案外うまくいくことが多いです。
なぜかというと
子どもが
「この機会を逃したら
いつ自分のターンが来るかわからん!!」
と、必死になる必要がなくなるからです。
つまり
- 損したくない
- せっかくの機会を逃したくない
- 次がいつかわからないから今やらないと!
こういう気持ちで
しがみついていることも多いんです。
もし特性が関係するとしたら
この「しがみつきの強さ」
かもしれません。
でも本当の問題は
そこではないと思っています。
しがみつきが強くなるのは
特性があってもなくても起きます。
どれだけ
- 裏切られたか
- 約束が反故にされたか
- 先の見通しが立たないか
ここです。
最初の話に戻ると
特性があるから対処するのではないのです。
子どもを育てるときに
「人権を大切にする知識を持ちそれに沿って関わっていく」
ということです。
困っているとき
「子どもが大人を困らせている」
と感じることもあります。
でも、その前に
「子どもの方が大人に振り回されて
困っていることもある」
ここから見ていく、ということです。
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